山岳同人グリズリー

愛知の山岳同人「グリズリー」の山行記録

カテゴリ: 山スキー

山行日:2019.2.16
山域:毘沙門岳(奥美濃)
コース:旧イトシロシャーロットスキー場~旧リフト山頂駅~910m超えた辺り(往復)
メンバー:Y(記)

誰もいない閉鎖されたスキー場から登るも、雨混じりの雪が降りだす。車内で休憩するとミゾレもやみシールを着け登るも、誰もいないスキー場は何とも言えない不気味さがありました。整備されていないので、自然が元に戻りつつあり、藪が出てきている。

20190216毘沙門岳03

スキー場を登りきると、雪が強くなり引き返し終了となりました。かなり物足りないが、スキー場を滑走、重たい雪質で足を取られながらのスキーでした。

20190216毘沙門岳08

山行日:2019.2.9

山域:大日ヶ岳(奥美濃)

メンバー:TJ、Y(記)

コース:高鷲スノーパークトップ~前大日~大日ヶ岳山頂~ゲレンデトップ~スキー場コース

久しぶりの山スキーは今シーズンの初スキーでした。
天気はどんよりとした不気味な空でしたが、ゴンドラ山頂駅よりバックカントリーの先行者が見え後を追う。シールで登りますが、途中アイスバーンの斜面があり登りも手こずりながら登りました。

20190209大日1



大日山頂についたら風と雪が強くなりすぐに滑走下山、と言ってもアイスバーンのカリカリの斜面は厳しく、横向きでエッジを立てながら降りました。前大日の樹林帯手前でシールを外しようやくスキー滑走でした。


まだまだ修行が必要です。

20190209大日7_400



木々の間に無理矢理張った傾いたテントの中で目が覚めた。
既に何度も目が覚めていたが、今気がつくと辺りは明るい。
濡れた寝袋を体から剥がして起きる努力をする。

テントの外に出ると、相変わらず雨が降り続いているようだが
穂高の天蓋に守られて大粒の雫がバラバラと落ちてくる程度。
無言のまま中まで濡れたザックにスキーをくくりつけて背負う。
昨日に増してずっしりと重い。そしてまた無言のまま歩き出す。
薮は相変わらず複雑で、しつこく体やザックや板に絡みつく。

程なくして目の前に白出沢が現れた。
薮から沢筋へ安全に下りられる場所を探して本流近くまで下り、
今度は渡渉点を探して沢筋を遡る。
橋は無い。流れは昨日からの雨で怒涛のように駆け抜ける。
川幅が広いところで水流が小さくなっているはずだ。
でも川幅が広いと視界が利かない。苦労して中洲まで渡っても
その先に渡渉点がなく引き返す場面もしばしば。
最後、夏道の渡渉点であるだろう場所に望みを託す。
沢の中央に流れの激しい場所があるが、ワン・ポイントだけだ。
ガッシリとスクラムを組んで早瀬を渡る。腰まで水に浸かった。

ここまでくるとまずは一安心。あとは林道歩きだけだ。
ずぶ濡れのスキー・ブーツを脱いでスニーカーに履き替える。
とは言え、濡れた装備と濡れたブーツを積んだザックは重い。
背負うと前頭葉から血流がさーっと引いたような気がした。

そして平湯でずっと着込んだ臭い服を脱ぎ捨て、汗を流す。
気がつけば双六小屋で取った朝食以来、何も食べていない。
立山に車を回収しに行く途中、富山の町で寿司屋に入った。
こうして五日と予備日を使った六日間の山行は終わった。

最後に、パートナーのグリズリーには非常に感謝しています。
このルートを安全に完踏するには経験に裏打ちされた
冷静な判断力が必要で、成功はグリズリーによるところです。
また自分にもっと技術と体力があれば、更に短い時間で
全行程を踏破することができたと思います。
そこを承知で今回のオートルートを企画して頂けたので、
自分では見ることのない世界を経験することができました。
ありがとうございました。


コースタイム(記録なし)
 朝:飛騨沢ブドウ谷付近
 昼:新穂高温泉

メンバー
 グリズリー、ブナ(記) 
 

今年のゴールデン・ウィークは中盤で天気が崩れるらしい。
当初から五日目の天気が気がかりだった。

出発前に確認した時とスゴ乗越で最後に確認した時とでは
天気の崩れ始めが若干早くなって、夜も冷え込むらしい。
ただしそれ以降は携帯も圏外で予報を確認できていない。
最後の予報を頼りにすると、飛騨沢の滑降は雨の中だ。
天気の崩れが早まる傾向にあることを考えると、登りで雨
更に気温が下がると滑降前の飛騨沢への積雪も考えられる。
新雪の飛騨沢を滑っては下りられないので、槍を諦め
双六小屋から小池新道経由で新穂に抜ける方が安全だろう。

そう考えて、五日目は槍を諦めて下山すべきではないかと
四日目の夜、残り少なくなったウィスキーを舐めながら
グリズリーに相談してみた。グリズリーは黙って聴きながら
大丈夫だと思うけどなぁ、と繰り返しながらも最後には
ブナに任せた、となって二人とも寝袋に潜った。

明けて翌日、いよいよ出発。双六小屋周辺には雪がない。
どうせすぐ履くんだからと、ザックを背負って板を手に持ち
さあ行きましょうかとグリズリーを振り返ると、何か変だ。
板をザックに固定して、アイゼンを履いてる人がいる。。
うん、と言いながら槍ヶ岳の方向を向いているし。。
え?ここから滑って下りるんじゃなかったでしたっけ?
うん、どっちでも良いよ。板を背負ってアイゼン履いて、
間違いなくどっちでも良い人の格好ではない。
やれやれ。確かにここで下りるのは残念な気もする。
天気が崩れればいろいろ辛いだろうが、
辛いだけなら耐えれば済む話だ。
観念して板をザックにくくりつけ、槍ヶ岳を目指す。

hr5-1
西鎌尾根からの槍ヶ岳

グリズリーの見立て通り、樅沢岳へのアプローチと
自分にとっての最後の難関である西鎌尾根に雪は少なく
ほとんど夏道を使って突破できた。
で、千丈沢乗越。ここからは飛騨沢が一望できる。
ただし時間は予定より少し遅い。ここから滑ろうか?
時間を気にしたグリズリーがそう訊くも、
せっかく西鎌尾根を越えてここまで来たところだ。
正面の絶壁が恐ろしげだが、一度行くと決めたんだ。
最後まで行きませんか?で、これが後悔の元。。

時間が差し迫る中、行くと決めた後のグリズリーは速い。
一方自分はピッケルとアイゼンでの登攀でいつも遅れる。
グリズリーよりも軽いはずの自分が何故か雪に沈むからだ。
そして足が雪に沈むとバランスを崩してトレースを壊す。
このトレースを通る後の人とかかっている時間を考えると
苦手な岩を行った方が得策かもしれない。
そう思って岩場を登り、相当遅れをとって肩の小屋に到着。

hr5-2
槍ヶ岳からの西鎌尾根

hr5-3
槍ヶ岳山荘

そこから間髪入れずに飛騨沢を滑る。飛騨沢は広く、長い。
滑り降りると五日分の苦労があれこれと脳裏をよぎる。
肩の小屋で立ち込めていたガスも、下りると雨になった。

hr5-4
飛騨沢へのドロップ・イン

槍平小屋で小休止。ちょっと手前で熊に出会った。
沢の反対側で一心不乱に何か食べるものを探していた。

槍平小屋までくれば後は簡単、なはずだった。
夏道を探して歩き始めても、それが全然見当たらない。
どうも雪の重みで薮が潰され、夏道が薮に消されたようだ。
進むにつれて植生が濃くなると地面の積雪も少なくなる。
薄雪を踏み抜くと薮に足を取られ、簡単には抜け出せない。
かといって薮の上のスキー・ブーツはとにかくよく滑る。
沢伝いに歩いても、雨で水かさが増した瀬は
巻かないと越えられない。巻けば結局また薮に戻される。
そこへきて板はザックだ。
薮を漕げば足どころか、板のヘッドもテールも引っかかる。
ヘッデンを出して歩く覚悟を決めたものの、
そうまでしたところで今日中の下山は無理だろう。
日がくれた時点で薮の上に無理矢理テント張って
一夜をやり過ごすことにした。


コースタイム
 0640:双六小屋
 0730:樅沢岳
 1200:千丈沢乗越
 1430:槍ヶ岳山荘
 1640:槍平小屋
 1830:飛騨沢ブドウ谷付近

メンバー
 グリズリー、ブナ(記) 
 

四日目は一番楽しみにしていた太郎平から双六小屋までのレグ。
距離は長いが黒部五郎や三俣蓮華の巨大なカールを滑る日だ。
天気は快晴、風はない。正面には北ノ俣岳までのなだらかな尾根
振り返れば薬師岳の広い尾根が大きく広がる。思わず息をのむ。

GH010166
太郎平からの薬師岳

この日は朝からシールを貼って意気揚々と北ノ俣岳へ。
そこからシールを外し黒部五郎の北西斜面へと一気に滑り込む。
この斜面はシールで登り始めたが、途中でアイゼンに切り替える。
ここで滑落したら時間を失う。時間を失ったら楽しめない。

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右からこの日に通過する太郎山、北ノ俣岳、黒部五郎岳

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太郎山で見つけた大きな熊の足跡
恐らく前日夕方のものだろう。

オートルート4
北ノ俣岳に遊ぶ雷鳥の親子

GH010180
北ノ俣岳からの黒部五郎岳(正面)  

登りきると見たこともないほど大きなカールが目の前に広がる。
雪庇の先はほぼ垂直に落ち込んでいて、まず近寄り難い。
カールの端に雪庇の落ちた箇所を見つけ、中を覗き込む。
飛び降りるかのように滑り出し、できるだけ大きくターンを描く。
それでも大きな壁に細い線を残したにすぎない。
途中何度も腿がパンパンに張って立ち止まり、その度に振り返る。
目の当たりにしてもなお、その大きさを正しく受け入れられない。

GH010190
黒部五郎岳のカール(ドロップ・ポイントから)

GH010190-1
黒部五郎岳のカール(下から)
カールの奥右手の岩(写真中央)と
その更に右の岩との間からドロップ・イン 

黒部五郎小屋にたどり着くとすぐ目の前が三俣蓮華の取り付きだ。
滑ると感嘆する大きな斜面も登る時には辟易する。
腐りかけの雪の上を行ったり来たりしながら少しずつ高度を稼ぐ。
この四日間、スキー・ブーツの中で汗をぐっしょりかいている足は
皮膚がふやけてウールの靴下に負け、あちこちですり減っている。
テーピングで保護しても汗と血ですぐにテープが剥がれてしまい
疲れと痛みで集中力が続かない。
なんとか登りきった最初の小ピークで立ち止まり、思わずため息。
その時何気なく来た方向を振り返った。そして思わず凍りついた。
さっき滑った壮大な黒部五郎のカールが目の前に広がり、
そこから奥の北ノ俣岳まで優しい稜線が波を打って繋がっている。
更にその右には今朝歩き始めた太郎平が大らかに広がって
昨日強風で苦労したとてつもなく大きな薬師岳に吸い込まれている。
今まで見たこともない静かで大きくて優しくて白い世界が
自分の背後に広がっていたことに今初めて気がついた。
なんて大きな世界なんだろう?何故か不思議と涙が溢れてくる。
そしてそこにはなかなか三俣蓮華に辿り着けない自分の小さな足跡が
薬師の更に向こうから今立っているところまでずっと繋がっている。
でもまだここがゴールではない。気を取り直して再び歩き始める。

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三俣蓮華岳への尾根から来た方向を振り返る
(左の山が黒部五郎岳で右が薬師岳)

GH010198
三俣蓮華岳(尾根線の先の画面左側のピーク)

三俣蓮華のカールは大きいというより深い。そしてまた長い。
面倒臭いのは三俣蓮華の山頂と目指す双六小屋との間を横切る
無名のピークからの尾根線だ。この尾根の向こうに小屋が見える。
でも尾根の向こう側から小屋までのルートは隠れて見えない。
また小屋は尾根の向こうに谷を挟んで浮いた感じで見えるので、
尾根と小屋の相対的な高さの感覚がつかめない。
だから尾根のどこを目指して滑ったら良いのかよく分からない。
まずはちょっとずつ様子を見ながら滑りましょうとか言いながら
調子に乗ってあっという間にカールの底に到着。
見上げると50mほど高いところをトラバースするトレースを発見。
シールを付けて少しずつ登り返しながら尾根を越えることにした。
で、尾根についてびっくり。まず目の前に広がる這松の群生。
そしてこの藪を漕いで抜けた先に広がる広大な谷。気が遠くなる。
更に急斜面のトラバースを避けられない箇所もいくつか。
ちょうど太陽が稜線の向こうに隠れて気温も下がり始めた頃だ。
雪面が凍ってエッジもシールも効かなければ滑落は避けられない。
何れにせよ、黙って歩き始めるしかない。。

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三俣蓮華岳のカール越しに見た槍ヶ岳

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三俣蓮華岳のカール
画面奥右の二つの岩の間からドロップ・イン 

結局グリズリーに遅れをとりながら、無事双六小屋の上に出た。
こうして楽しみにしていた長く、辛く、楽しいレグを終えた。

GH010212
双六小屋


コースタイム
 0630:太郎平
 0815:北ノ俣岳
 0830:赤木岳
 1100:黒部五郎岳
 1500:三俣蓮華岳
 1700:双六小屋

メンバー
 グリズリー、ブナ(記) 

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